37th meeting
「あそび」
Core Talk Cafe meeting

開催場所

喫茶茶会記(四谷三丁目)

参加者数

7名(運営スタッフ含まず)

テーマ選択の背景

第37回目のテーマは「あそび」。GW真っ只中、世間では仕事はお休みの中の開催となりました。しかし、仕事が休みだとしても人はあそぶことができるのでしょうか?そして今回ひらがなの「あそび」としたのは、「遊び」に限定されない意味の広がりと関連を探求できないだろうか、という狙いもありました。

当日の様子

 今回は「あそび」というテーマに対し、色々な関心を持った大人の方達が集まりました。まず、それを共有するため、「あそび」という言葉に対してどのようなイメージ、関心があるのかを伺いました。「人生はあそびである、とはどういうことだろうか?」「仕事とあそびはどう違うのか?」などの問いから、「あそびは楽しいもの」「あそびは無目的なもの」などの意見も飛び交いました。それらの関心を交差させながら、主に「仕事とあそびの違い」という点に議論が集中しました。この中で「仕事もあそびと言うことができる」「生産活動はあそびにはなり得ない」という対立する立場同士で意見を交換し合い、その中であそびの重要な要素として「主体性」「楽しさ」「ルールからの解放」「緊張のゆるみ」「無目的性」などの重要な概念が出た中で前半部を終えました。
 後半は前半の議論をふまえ、「あそび」を定義するために知る必要のある「問い」を立てていただくことから再開しました。「あそびは何をもたらすのか」「あそびは目的を持ちうるのか(何かの為のあそびは可能か)」「あそびを作り出すことはできるのか」など多様な問いが提出されました。その後最も議論されたのは、あそびを事柄ではなく心的状態として捉えた上での、あそびの「価値」の問題です。「楽しさ」という積極的な定義から、「ネガティブな感情からの解放」といった消極的な定義が出ました。後者は先に議論された「ルールからの解放」という意見と結びつき、あそびはそれ自体で定義されるのか、あるいは「ルール」や「ネガティブ」な感情が先にありそれからの解放やゆるみといった様に考えられるべきなのかという議論が始まったところで今回も時間終了。
 今回合意を得た点は、1.「あそび」とは事柄(行為)の問題ではなくあそぶ主体の心的状態の問題である。そして、2. あそびは何らかの価値を持つものであるけれど 3. あそび自体は無目的なものであり、その価値は目的とはされない。という点です。
Core Talk Cafe digest

Digest of digest

あそびと仕事のちがいは?
あそびは楽しいものか?
あそぼうとしてあそぶことはできるか?

Book Guide

『遊びの現象学』 西村 清和『遊びの現象学』(勁草書房 )
西村 清和
勁草書房 1989

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