36th meeting
「ウソ」
Core Talk Cafe meeting

開催場所

喫茶茶会記(四谷三丁目)

参加者数

17名(運営スタッフ含まず)

テーマ選択の背景

第36回目のテーマは、前回ゲストからのご希望で「ウソ」となりました。当初はエイプリル・フールとかけてのテーマだったわけですが、奇しくもニュース番組などでさかんに「虚偽」や「捏造」といった言葉が飛び交う中での開催となり、盛会となりました。

当日の様子

初参加の方を多数お迎えして、若干緊張した面持ちでのスタートとなりましたがすぐに参加者同士で対話が白熱し、あっという間の二時間だったように思います。最初にみなさまの「ウソ」についてのご体験を伺ったところ、コミュニケーションを円滑にするための「ウソ」ならついてもよいのではないか、というご意見が多数派でした。お互いに納得している目的のためにつく「ウソ」もまた同様とのことでした。人間関係の中で「ウソ」は非常に多様で、グレーゾーンになっています。
しかし、本当にウソをついてもよいのでしょうか。司会からこの問いを投げかけさせていただきました。すると、誠実に「真実」を追究することが大切な場面もあるという留保がつきました。科学の研究や、身近なひととのコミュニケーションで誠実さが求められる場面がある、ということです。ただし、「真実」さえわたしたちは時にあいまいにして、耳触りのよい「ウソ」を好むことがあります。あるいは、ひとの心の中まではわからずに印象だけで「ウソ」を信じてしまうことがあります。では、自分に対して「ウソ」をつくという場合はどうでしょうか。そうすることに罪悪感を覚えてしまうなら、きっとあえてそうすることはないのでしょう。また、「ウソ」をつくよりももっと他の「真実」を見出そうとする、という方もいらっしゃいました。「真実」とは、「本当のこと」とは一体何なのでしょうか。自分に対して「ウソ」をつくというとき、自分の心の「真実」をめぐって深い謎が見え隠れします。「ウソ」と日本文化の関係、空気を読むことは「ウソ」をつくことか、など他にもたくさんの興味深い論点があがりましたがお時間となりました。
Core Talk Cafe digest

Digest of digest

ウソをついてはいけないのはどんなときか
自分にウソをつくとはどういうことか
心の中に本当のことはあるのか

Book Guide

『流れとよどみー哲学断章』 大森 荘蔵『流れとよどみ?哲学断章』(産業図書)
大森 荘蔵
産業図書 1981

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