30th meeting
「幸福」
Core Talk Cafe meeting

開催場所

喫茶茶会記(四谷三丁目)

参加者数

10名(運営スタッフ含まず)

テーマ選択の背景

第30回目は、「幸福」というテーマを選択しました。「幸福」や「しあわせ」という言葉を私たちは日常的に使っていますが、はたしてその意味は「ひとそれぞれ」に任されているように感じます。だからこそひとの考えを聞いてみることに意義があると思いこのテーマを選択しました。

当日の様子

 最初はお集まりいただいた方に「幸福」についてのお考えを伺いました。「主観的な幸福と客観的な幸福とのちがい」や、「ひとはどこまで幸福を求めることができるのか」、といったお考えを伺いました。そこで最初に議論になったのは、どんなひとにとっても共通して幸福な状態はあるのだろうか、ということです。「みんなが幸せ」な状態は、はたして訪れるのでしょうか。
 ごはんを食べておいしいとか、コーヒーを飲める幸せのようなものから、社会の中での自己実現のように、幸福の中身は様々です。ですが、だれもが目指す幸福というものがあるのだとしたらそれはいったいどのようなものなのでしょうか。
 みなさまと考えをシェアしていくうちに話の中心となっていった問題は、「私にとっての幸福」や「幸福感」と、「だれもが目指すべきとされる幸福」、「幸福な人生のモデル」とが一致しないというものでした。たしかに、両親や社会が求めてくる「幸福な人生のモデル」がそのまま「私にとっての幸福」であるとは限りません。「私にとっての幸福」や「幸福感」ばかりを求めることは「いけないこと」なのかもしれません。翻って、こうすれば幸福だというモデルの方も、長い人生の中で時間の経過に従って変わっていってしまうものなのかもしれません。
 ならば、そもそも欲求に心を乱されない「心の平安」こそ幸福なのではないか。しかし「心の平安」を求めすぎてしまうと、無感動で生きる意欲もない状態になってしまう。やっぱり「幸福な人生」を求めたい、幸せを感じたい。そしてそれが「ひとの幸せ」でもあるようにと、ひとと対話しながら考えていくことが大切だというご意見をいただきました。哲学カフェを運営していくことの意義を教えていただいたように感じ、運営としても一参加者としても学びの多い回でした。
Core Talk Cafe digest

Digest of digest

幸福はひとそれぞれ?
私にとっての幸福を求めるのはいけないこと?
ひとは他者を幸せにすることができる?

Book Guide

『自省録』 マルクス・アントニウス・アウレリウス『自省録』(岩波文庫)
C. マルクス・アウレリウス・アントニウス
岩波文庫 2007-2

by G-Tools